はじめに
企業研修や授業をオンライン化したいと思っても、
- 「まず何から始めればよいのか」
- 「教材はどう準備すればよいのか」
- 「システムはいつ選べばよいのか」
- 「導入後の運用まで、何を決めておけばよいのか」
と迷う方もいるのではないでしょうか。
eラーニングを始めるときは、最初にシステムを選ぶのではなく、まず「何のために実施するのか」「誰が学ぶのか」「どのように学んでもらうのか」を整理することが大切です。
そのうえで、管理したい情報や必要なシステム、導入後の運用体制を順番に決めていくと、自分たちに合った形で導入しやすくなります。
この記事では、eラーニングを初めて導入する方に向けて、必要な準備と進め方をわかりやすく解説します。
- eラーニングは、目的・対象者・学習方法・教材・管理方法を順番に整理していくと導入しやすくなります。
- 必要なシステムは、実施したい学習と管理したい情報を整理してから検討します。
- 導入時には、システムや教材だけでなく、誰がどのように運用するかまで決めておくことが大切です。
eラーニングを始める前に考えたいこと
eラーニングを始める際には、最初にシステムを選ぶ必要はありません。
まず、どのような学習を実施したいのかを整理することが大切です。
例えば、
- 全社員に必須研修を受講してもらいたい
- 新入社員向けの研修をオンライン化したい
- 授業の教材をオンラインで提供したい
- 商品やサービスについて顧客やパートナーに学んでもらいたい
- 動画や資料を使って自主学習できる環境を作りたい
といったように、目的によって必要な教材や仕組みは変わります。
eラーニングを導入すること自体を目的にするのではなく、「導入によって何を実現したいのか」を最初に明確にしておくと、その後の判断がしやすくなります。
eラーニングを始める7つのステップ
eラーニングの導入方法は組織によって異なりますが、初めて導入する場合は、次のような順番で考えると整理しやすくなります。
1. eラーニングを導入する目的を決める
最初に、eラーニングを何のために導入するのかを決めます。
例えば企業研修では、
- 必須研修を効率よく実施したい
- 集合研修の回数を減らしたい
- 拠点が異なる社員にも同じ研修を提供したい
- 研修の受講状況を把握したい
- 繰り返し学習できる環境を作りたい
などが考えられます。
目的が曖昧なままシステムを選ぶと、必要のない機能を導入したり、逆に必要な管理ができなかったりすることがあります。
まずは、eラーニングによって解決したい課題や実現したい状態を明確にすることから始めましょう。
2. 誰が学ぶのかを決める
次に、eラーニングを利用する対象者を整理します。
例えば、
- 全社員
- 新入社員
- 管理職
- 特定の部署
- 学生
- 教員
- 顧客
- 代理店やパートナー
などです。
対象人数だけでなく、どのような人が利用するのかも重要です。
パソコンを中心に利用するのか、スマートフォンから利用することが多いのか、社内だけで利用するのか、社外の利用者も含むのかによって、必要な環境やシステムが変わります。
3. どのように学習してもらうか決める
学習の進め方を考えます。
例えば、
- 好きな時間に動画や教材を学習する
- 決められた順番で教材を受講する
- オンライン研修にリアルタイムで参加する
- 教材を学習した後にテストを受ける
- 一定の条件を満たしたら研修修了とする
など、さまざまな方法があります。
教材の種類だけでなく、「どのような順番で学ぶのか」「どこまでできれば修了とするのか」まで考えておくと、その後に必要な仕組みを判断しやすくなります。
4. どのような教材を使うか決める
eラーニングでは、さまざまな形式の教材を利用できます。
例えば、
- 動画
- PDFやスライドなどの資料
- Web上の教材
- テスト
- 課題
- アンケート
などです。
既存の研修資料を活用できる場合もあれば、オンライン学習向けに教材を作り直した方がよい場合もあります。
特に集合研修で使っていた資料をそのままオンラインに掲載するだけでは、学習者にとって分かりにくくなることもあります。
オンラインでどのように学んでもらうのかという視点で教材を準備することが重要です。
5. 何を管理する必要があるか考える
ここは、eラーニングを始めるうえで特に重要なポイントです。
例えば、
- 誰が受講したか
- どこまで学習したか
- テストに合格したか
- 必要な学習を完了したか
- 過去にどの研修を受講したか
といった情報を管理する必要があるかを考えます。
こうした情報を継続的に把握・記録する必要がある場合には、学習を管理するための仕組みも必要になります。
ここでは、どの製品を使うかまで決める必要はありません。まず「何を管理したいのか」を明確にしておくことが大切です。
6. 必要なシステムを選ぶ
目的、対象者、教材、学習方法、管理したい情報が整理できたら、必要なシステムを検討します。
ここで初めて、「自分たちが実施したいeラーニングには、どのような仕組みが必要なのか」を具体的に考えます。
受講者、進捗、テストや評定、修了、学習履歴などを継続的に管理する場合には、LMSが有力な選択肢になります。
具体的なシステムの種類や選び方については、「eラーニングシステムとは?|LMSとの関係と選び方をわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
7. 導入後の運用方法を決める
eラーニングは、システムや教材を準備すれば終わりではありません。
継続して実施するためには、
- 受講者の登録
- 教材やコースの更新
- 受講案内
- 未受講者への対応
- 問い合わせ対応
- 学習状況の確認
- システムの保守・更新
などの運用が必要になります。
そのため、導入前に、
「誰が、何を担当するのか」
を決めておくことが重要です。
研修担当者だけで対応するのか、情報システム部門と分担するのか、システムの保守や技術的な対応を外部に依頼するのかなど、実際の運用体制まで考えておきましょう。
小さく始めて、段階的に広げる方法も
初めてeラーニングを導入する場合、最初からすべての研修や授業をオンライン化する必要はありません。
例えば、
- 一つの研修から始める
- 一部の部署で試す
- 既存の教材を活用する
- 少人数で運用を確認する
といった方法もあります。
小さく始めることで、実際の利用状況や運用上の課題を確認しながら、対象者や教材を少しずつ増やしていくことができます。
また、将来的に利用人数や研修数を増やす予定がある場合には、拡大したときの管理方法についてもあらかじめ考えておくとよいでしょう。
eラーニングを継続して運用するために
eラーニングでは、「導入すること」よりも「継続して運用すること」が重要です。
せっかく教材やシステムを準備しても、
- 教材が更新されない
- 受講者の登録が追いつかない
- 未受講者を把握できない
- 管理担当者しか操作方法がわからない
- システムの更新や保守ができない
といった状態になると、継続的な運用が難しくなります。
そのため導入時には、機能や価格だけでなく、
- 教材を誰が管理するのか
- 受講者を誰が登録するのか
- 問い合わせに誰が対応するのか
- システムを誰が保守するのか
といった運用まで含めて設計することが重要です。
特に、担当者が変わっても運用を続けられるよう、役割や手順を整理しておくことが大切です。
eラーニングの管理に利用できるLMS「Moodle」
受講者や進捗、テスト、修了、学習履歴などを継続的に管理する場合には、LMSを利用する方法があります。
その一つがMoodleです。
Moodleは、教材やコースの提供、受講者管理、進捗確認、テストや評定、修了管理など、オンライン学習を管理するための機能を備えたLMSです。
企業向けには、組織管理や研修プログラムの運用などを想定したMoodle Workplaceという選択肢もあります。
どのLMSが適しているかは、目的や対象者、管理したい情報、運用体制などによって異なります。まずは7つのステップを通して必要な条件を整理したうえで、自分たちに合うLMSを検討するとよいでしょう。
まとめ
eラーニングを始めるときは、最初からシステムや製品を選ぶのではなく、目的から順番に整理していくことが大切です。
基本的には、
- 目的を決める
- 対象者を決める
- 学習方法を決める
- 教材を準備する
- 管理する情報を整理する
- 必要なシステムを選ぶ
- 運用体制を決める
という順番で考えると整理しやすくなります。
特に、eラーニングは導入して終わりではありません。実施したい学習だけでなく、誰が管理・運用するのかまで考えておくことで、継続して活用しやすくなります。
まずはすべてを一度に整えようとせず、自分たちが実現したい学習と必要な管理を整理するところから始めるとよいでしょう。
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執筆:株式会社イーラーニング コンテンツ編集部
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