はじめに
企業で研修を実施していると、研修の数や受講者が増えるにつれて、受講状況や研修履歴の管理に手間がかかることがあります。
また、必須研修の未受講者確認や、部署ごとの受講状況の把握など、研修運用そのものが複雑になることもあります。
こうした研修管理を効率化する方法の一つが、研修管理システムの活用です。
この記事では、研修管理システムとはどのような仕組みなのか、何ができるのか、LMSとはどのような関係にあるのかをわかりやすく解説します。
この記事でわかること(サマリー)
- 研修管理システムとは何か
- 研修管理システムで管理できる情報や主な機能
- 研修管理システムとLMSの関係
- システムを検討するときの考え方
研修管理システムとは
研修管理システムとは、企業や組織で実施する研修に関する情報を管理し、研修の実施や運用を支援するためのシステムです。
企業では、新入社員研修、階層別研修、コンプライアンス研修、情報セキュリティ研修、職種別研修など、さまざまな研修が実施されています。
研修の種類や対象者が増えると、受講者や受講状況、修了、研修履歴などを継続して管理する必要が出てきます。
ただし、「研修管理システム」という名称だけで利用できる機能が決まっているわけではありません。研修の日程や申込を中心に管理するものもあれば、オンライン教材の提供から受講状況、テスト、修了、学習履歴まで管理できるものもあります。
そのため、研修管理システムを検討するときは、名称だけでなく、どのような情報を管理できるのかを確認することが大切です。
研修管理システムでできること
企業研修では、研修を実施するだけでなく、対象者や受講状況、学習結果など、さまざまな情報を管理します。
研修管理システムでは、例えば次のような情報をまとめて管理できます。
■ 研修を管理する
研修名や内容、対象者、受講期間、必須・任意の区分、修了条件などを管理します。
■ 受講者を管理する
氏名、所属部署、役職、拠点などの情報とあわせて、誰をどの研修の対象とするかを管理します。
■ 受講状況を管理する
誰が受講しているのか、どこまで進んでいるのか、期限内に完了しているのかなどを確認します。
必須研修では、未受講者や未修了者の把握にも利用できます。
■ テストや修了を管理する
テストの結果や合否、修了状況などを記録します。
■ 研修履歴を管理する
社員が過去にどの研修を受講・修了したのかを継続して記録します。
必要な管理範囲は、研修の目的や対象者、実施方法によって異なります。
研修管理システムとLMSの関係
研修管理について調べていると、LMS(Learning Management System:学習管理システム)という言葉を目にすることがあります。
LMSは、オンライン上で教材やコースを提供しながら、受講者、進捗、テスト結果や成績、修了、学習履歴などを管理するためのシステムです。
そのため、企業研修において、教材の提供だけでなく、誰が何を学び、どこまで進み、修了したのかまで継続的に管理したい場合には、LMSが研修管理の中心的な仕組みになることがあります。
一方、「研修管理システム」と「LMS」は、製品やサービスによって機能範囲が重なることがあります。
LMSも、企業研修における研修管理を担う代表的なシステムの一つです。
※表は横にスクロールしてご覧いただけます。
| 研修管理で行いたいこと | LMSでの対応例 |
|---|---|
| 研修や教材を提供する | コースや教材をオンラインで提供する |
| 対象者を管理する | 受講者を登録し、対象者ごとにコースを割り当てる |
| 受講状況を確認する | 進捗や未受講・未修了の状況を確認する |
| 学習結果を管理する | テスト結果や成績、合否を記録する |
| 修了を管理する | 修了条件に基づいて修了状況を管理する |
| 研修履歴を残す | 過去の受講・修了履歴を継続して記録する |
大切なのは名称だけで判断するのではなく、自分たちが管理したい情報や実施したい研修に必要な機能を確認することです。
LMSそのものについては、「LMSとは?基礎から解説|できること・活用例・導入ポイント」で詳しく解説しています。
Excelなどによる管理との違い
Excelやスプレッドシートは、研修情報を整理する方法の一つです。
一方、研修の種類や対象者が増えてくると、
- 研修や対象者ごとに複数のファイルに情報が分かれる
- どのファイルが最新の情報かわかりにくくなる
- 未受講者の確認に時間がかかる
- 部署異動などに伴う情報更新が増える
- 過去の研修履歴を探すのに時間がかかる
- 担当者ごとに管理方法が異なる
といった課題が生じることがあります。
研修管理システムやLMSを利用すると、受講者、研修、進捗、修了、履歴など、研修に関する情報を一元的に管理しやすくなります。
ただし、システムを導入すれば自動的に研修管理が整うわけではありません。
システムを利用する場合でも、情報の登録・更新や受講者への対応など、実際の運用方法をあわせて考えておく必要があります。
研修管理システムを検討するときに整理したいこと
研修管理システムを検討するときは、最初から製品や機能を比較するのではなく、自分たちが解決したい課題や研修の条件を整理しておくと選びやすくなります。
- 何を解決・改善したいのか
未受講者の確認に時間がかかる、研修履歴を一元的に管理したい、担当者の作業を減らしたいなど、システムを導入する目的を整理します。 - どのような研修を実施するのか
必須研修、階層別研修、職種別研修など、対象となる研修を整理します。 - 誰が受講し、何を管理したいのか
全社員、一部の社員、社外の利用者などの対象者に加え、受講状況、進捗、テスト結果、修了、研修履歴など、必要な管理項目を整理します。 - どのように実施・運用するのか
オンラインや集合研修などの実施方法に加え、受講者登録や問い合わせ対応を誰が担当するかも確認します。 - 既存システムとの連携が必要か
人事システムや認証基盤など、すでに利用しているシステムとデータやアカウントを連携する必要があるか確認します。
企業研修の管理に利用できるLMS「Moodle Workplace」
企業研修で受講者、進捗、修了、学習履歴などを継続的に管理する場合には、LMSを利用する方法があります。
その選択肢の一つがMoodle Workplaceです。Moodle Workplaceは、Moodle LMSをベースに、企業や組織での研修管理を想定したLMSです。組織や対象者に応じた研修の提供や、受講状況・修了状況などの管理に加え、組織構造に応じた学習の割り当てなど、企業研修の運用にも利用できます。
どのLMSが適しているかは、研修の種類や対象者、管理したい情報、運用方法によって異なります。まずは自分たちに必要な条件を整理したうえで検討するとよいでしょう。
まとめ
研修管理システムは、受講者や受講状況、修了、研修履歴など、企業や組織で実施する研修に関する情報を管理するための仕組みです。
必要なシステムは、研修の種類や対象者、管理したい情報によって異なります。オンライン教材の提供に加えて、進捗やテスト、修了、学習履歴などを継続して管理する場合には、LMSが有力な選択肢になります。
まずは製品を比較する前に、「どのような研修を、誰に実施し、何を管理したいのか」を整理するところから始めるとよいでしょう。
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執筆:株式会社イーラーニング コンテンツ編集部
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