Moodleの標準活動「Feedback」は、受講者から意見や感想を集めるための機能です。追加のインストールが不要で、コースにすぐ設置できる手軽さから、多くの教育現場で使われています。
この記事では、教師・コース管理者の方向けに、Feedbackの代表的な活用シーンと、実際の設定手順をあわせて紹介します。
こんな場面で使われています
- 授業・コース評価アンケート:学期末に「授業の分かりやすさ」「教材の満足度」などを尋ね、翌期のコース改善に活かす。
- 中間フィードバック:学期の途中で簡単なアンケートを実施し、授業の軌道修正に役立てる。
- 研修後アンケート:社内研修やセミナー後に、理解度や感想を回収する。
- 匿名の意見箱・要望フォーム:氏名を記録しない設定にすることで、率直な意見を集めやすくする。
- 未ログインユーザー向けの受付フォーム:サイト管理者側の設定次第では、ログインしていない訪問者からの回答も受け付けられ、「お問い合わせフォーム」的な使い方も可能です(詳細は後述のコラム参照)。
設定手順
1. 活動を追加する
コースの編集モードを有効にし、「活動またはリソースを追加」から「Feedback」を選択します。名前と説明を入力します。
2. 「質問と送信の設定」を確認する
ここが最も重要な設定箇所です。
- 匿名で回答/ユーザー名を記録:意見を率直に集めたい場合は匿名を、誰が回答したか把握したい場合は記名を選びます。
- 複数回の送信を許可するか:通常は1回のみで問題ありません。
3. 「提出後」の設定を確認する
回答後に分析結果(集計)を受講者にも見せるか、完了メッセージのみ表示するかを決めます。学期末アンケートなどでは、集計を見せない設定にすることが一般的です。
4. 質問を作成する
「質問の編集」タブから、「質問を追加」のプルダウンで質問タイプを選びます。選択式・はい/いいえ・数値・記述式(短文/長文)・ラベル(説明文の挿入)などが使えます。
過去に作成した質問セットを再利用したい場合は、「テンプレート」機能で保存・呼び出しができます。管理者権限があれば、テンプレートを「公開」にして他の教師とも共有できます。
条件分岐(依存項目)を設定する
質問への回答に応じて後続の質問を出し分けたい場合は、次の手順で設定します。
- 分岐の起点にしたい質問の「ラベル」欄に、管理用の名前(例:
q1)を入力する。 - 後続の質問の設定画面に「依存項目」「依存値」という設定項目が現れるので、「依存項目」で先ほどのラベルを選択し、「依存値」に分岐の条件となる回答内容を入力する。
ただし、分岐の起点にできる質問タイプはドロップダウン選択・ラジオボタン・はい/いいえに限られる点にご注意ください。また、ラベルを入力していない質問は分岐の起点として選べないため、「Feedbackには条件分岐がない」と誤解されがちな機能です。
5. 回答を確認する
回答が集まったら、「分析」タブで集計結果をグラフ・表で確認できます。個別の回答内容は「回答」タブから確認可能です。結果は表計算ソフト形式でエクスポートもできます。
運用のコツ
- 匿名設定にする場合は、事前に受講者へその旨を伝えると回答率・回答の質が上がりやすくなります。
- 定型的なアンケート(授業評価など)は、一度作成した質問セットをテンプレート化しておくと、次期以降の作成が大幅に楽になります。
- 回答期限を設けたい場合は、「回答期間」の設定で開始日・終了日を指定できます。
コラム:「お問い合わせフォーム」としても使える?
Feedbackは、サイト管理者の設定次第で、ログインしていない訪問者からの回答も受け付けられます。ただし、この機能が使えるのはフロントページ(サイトのトップページ)に設置した場合のみです。コース内にゲストアクセスを許可して設置しても、この用途では機能しません。
設定手順は次のとおりです。
サイト管理 > プラグイン > 活動モジュール > Feedbackで「完全な匿名を許可する(Allow full anonymous)」を「はい」に変更する。- フロントページにFeedback活動を設置する。
- 「認証済みユーザー」ロールと「ゲスト」ロールの両方に、フィードバックの回答権限(
mod/feedback:complete)が許可されていることを確認する。
未ログイン状態での回答は、システム上は存在しないユーザーID(0番)として記録される仕様です。ただし、アクセス時のIPアドレスはシステムログに残るため、GDPRなど個人情報保護規制の対象となる可能性がある点には注意してください。また、認証なしで誰でも送信できる設定になるため、実務で使う場合はスパム対策(reCAPTCHAなど)もあわせて検討するとよいでしょう。
まとめ
Feedbackは、追加インストールなしで使える手軽さと、匿名設定・テンプレート・簡単な条件分岐など、実務で必要になる機能が一通り揃った活動です。まずは授業評価やアンケートといった基本的な使い方から取り入れ、必要に応じてテンプレート化や条件分岐といった応用機能を活用していくとよいでしょう。
なお、画面の項目名や配置は、Moodleのバージョンやテーマによって異なる場合がありますので、実際の設定時にはご利用の環境の表示に沿って読み替えてください。
