Client

組織名
一般社団法人 ウェブ解析士協会 様
導入したサービス
Moodle LMS
カテゴリ名
Moodle LMS、コース外販、資格取得
事業内容
人材育成のための教育事業
調査研究及び情報提供事業
就労支援を目的とする事業
ビジネスマッチング(事業の紹介・斡旋)事業
各種講習会及び研修会の企画・運営事業
機関誌、書籍の編集及び発行、出版事業
学術研究会及び学術講演会の企画・運営事業
その他、当法人の目的を達成するために必要な事業
インタビュー動画
(YouTube)
https://youtu.be/l4k06NHwMMs?si=JHtrci5mIrmas6aX

一般社団法人 ウェブ解析士協会 様

アクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用し、デジタルマーケティングを通して事業の成果を導く人材の育成に取り組まれている一般社団法人 ウェブ解析士協会様。その創設者であり現名誉会長でいらっしゃいます江尻 俊章様に、当社の代表取締役 松崎 剛が対談形式でお話を伺いました。江尻様は2023年に刊行され、ミリオンセラーとなった「ずるい検索」の著者でもあり、2024年からは日本経済大学 デジタルビジネス・マネジメント学科の教授に就任されるなど、各方面でご活躍されていらっしゃいます。ウェブのプロとして名実ともに第一人者である江尻様にLMSの選び方や教育についてなど、様々な角度からお聞きしています。

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江尻 俊章氏の著『 ずるい検索 賢い人は、「調べ方」で差を付ける 』
2023年6月30日刊行
Amazonインターネット入門書カテゴリでベストセラー1位

【もくじ】
第1章「知りたいこと」を調べられるようになる
第2章勝手に情報が集まる「仕組み」をつくる
第3章「ソーシャルメディア」の力を最大限に活用する
第4章「便利ツール」を駆使して効率を高める
第5章「コンテンツ作り」で周囲に差を付ける
第6章「ビジネスを加速させる情報」を調べる
第7章「必要だけれど探しづらい情報」を調べる
第8章「ウェブサイト分析」で自分が打つ手を知る
第9章「人」から情報を集める

 

 

お話を伺った方
  • 江尻 俊章

    一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) 創業者
    一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA) 名誉会長
    情報価値研究所株式会社 代表取締役
    ISACA公認情報システム監査人 (CISA)
    ウェブ解析士マスター (WACA)
    日本経済大学 デジタルビジネス・マネジメント学科 教授

Moodleの概念は理解していたものの、最初は全然使いこなせていませんでした

―Moodle導入の経緯を教えてください。

江尻様
実は当初はLMS(Learning Management System)というものへの関心は薄かったです。Moodleに限らず、すべてのLMSは通常の授業の代替品もしくは劣化版といったイメージでした。そのイメージが変わったのは、Moodleユーザーのマミオン有限会社の森万見子さんから、Moodleについて伺ってからです。森さんがそんなにお勧めされるのであれば、ということで2016年頃に自社の余ったサーバーに試しにインストールしてみました

その後、熊本大学大学院(博士前期課程)で鈴木克明先生の下でID(インストラクショナルデザイン)を学んでいらした鈴木真保さんが事務局に入り、さらに彼女からもMoodleの良さについて聞きました。

お2人との出会いがきっかけとなり、Moodleを試しに使い始めましたが、当初は実際には動画を並べる場所、という使い方しかできていませんでした。概念は理解していたのですが、本当に腑に落ちる状態には至っていなかったのだと思います。

松崎
弊社に最初にお問い合わせいただいた時には、Moodleを自分たちで運用しているが、それをベンダーに任せたいということだったと記憶しています。

江尻様
はい。受講生の学習理解に合わせてさまざまな学びができるというMoodleの概念は素晴らしいと感じましたし、今までの授業を使った教え方とは全く違う、本当にパラダイムシフト的なものだなと思いました。そこできちんとした保守契約ができる御社にお任せし、サーバーを構築するところから運用保守までしていただくために御社にコンタクトしました。

コロナで窮地に陥った経営者の皆さんを助けるために奔走したことが、Moodleへの理解を深めるきっかけに

―導入時に比べ、今はずいぶん上手にMoodleを活用していらっしゃるようですが、どのような変遷があったのでしょうか。

江尻様
それには明確な転換機がありました。コロナです。僕はEntrepreneurs’ Organization(起業家機構)という組織に属しているのですが、そこで知り合った経営者の多くがコロナ禍で苦境に立たされました。全国一斉休業となり、先行きが不透明で、授業継続が危ぶまれる中、僕のところには社員にデジタルで授業をやってくれないかという相談が相次ぎました。2020年4月20日頃のことです。

政府からの支援金の給付を受けられるかどうかの瀬戸際ということもあり、5月から授業を開始して欲しいという要望でしたが、そのころは給付の条件もはっきりしておらず、8時間勤務の方は8時間の講座を受講する必要がありました。3ヶ月の講座ですと、全部で480時間の授業となります。それをすべて僕が教えるというのは到底不可能な話で、これはMoodleを使うしかない、となりました。そこからゴールデンウィークを返上しほぼ徹夜で「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」の講座をすべてオンデマンドの演習形式の講座に仕上げ、2020年5月10日には講座をスタートさせ、数百人に提供することができました。

80時間の講座は、デジタルに関する適当な動画を流すだけ、という方法もあったとは思うのですが、受講される皆さんは、オフラインの飲食店とかイベント企画会社など、コロナ禍でいきなり仕事がゼロになってしまった企業の方々でした。彼らがその先に繋がるような力を身に付け、デジタルを利活用して新たな道を探れるようになる人材を育成するための講座にすることを、僕は一生懸命考えてやらないといけないと思いました。そこから僕はMoodleに自ら向き合うこととなりました。

―「すべては中小企業のために 〜福島から世界へ、世界から福島へ〜」という記事を拝読しました。やはり江尻さんの原点はそこにあり、中小企業の応援がライフワークとなっていらっしゃるのでしょうか?

江尻様
もともと中小企業のことを支援したいと思ってウェブ解析というものを選び、何の経験もない中で始めました。コロナ禍でこのような相談を受けた時に、僕は自分の力を使って世の役に立つ方法として、デジタルでの授業という方法を選択しました。そしてより多くの方に、本当の学びを実現するためにはMoodleを使うしかないと考えました。

実はそれまでは僕は指示を出すのみで社員が制作していました。でも自分自身で制作したことがきっかけとなり、Moodleにはどんなアクティビティがあるかを知り、実際にワークショップやフィードバック、クイズなどを使ってみたことで、ようやくMoodleの多彩な学びに対するエクスペリエンスの提供の仕方があるのだということがわかりました。

産業革命時代のブロイラー的教育からの脱却

―Moodleが使えるようになると、世界は変わりますか。

江尻様
以前から将来的にはLMSを使った授業になるだろうとは思っていました。これはウェブ解析士協会の講師の皆さんには良く話していることなのですが、これまでの授業は産業革命時代に労働者を大量に作るために作られた、教室に生徒を押し込んで、1人が40人に教えるというブロイラー的な教育でした。これがもう100年続いていて、先生とはこういうものだとみんなが思っています。その前はギルド制で、師匠がお弟子さんに教えていましたが、それは効率が悪いからということで産業革命以降の形にシフトしたのだと思います。

ところがコンピューターを使えば、そのギルド的な方法、つまりマンツーマンでありながら大量に教えるということが実現できるのではないかと考えています。ですからそちらの方向にちゃんとシフトしなくてはいけないということが、Moodleを知ることでやっと腑に落ちたという感じです。

今はMoodleを使ってどうしたらそのエクスペリエンスを自分がライブで教える授業以上にできるか、ということが僕の研究対象の1つとなっていて、試行錯誤や実験を繰り返しています。

松崎
すごく興味深いお話です。江尻さんのおっしゃるように実はeラーニングは日本では軽く見られていました。「いつでもどこでも」という言葉がありますけど、いつでもどこでもできるとこがメリットだ、というのがすごく全面に出てしまって。教室が1番で、eラーニングはリアルの教室の手軽なサブセットだよねという印象が日本では結構根強かったと思います。今でもまだそういうところがありますよね。

江尻様
僕はまだ99.99%そんなところじゃないかと思っています。でも僕はLMSが今後進化した先には教室授業をはかに超えるアウトカムが出てくると確信を持っています。それをどうしたら作れるのかということは、まだまだ研究中ではあるのですが、手応えは感じています。

授業ですとどうしても時間の制約とか全員を見なくてはいけないという制約あります。それがLMSを使うことにより、マンツーマンで教えられ、それぞれがちゃんとエクスペリエンスを作るために、自分の結果を発表したり、お互いの経験や発表内容をレビューし合うことが可能となります。授業でやろうとすると膨大な時間と手間がかかるところがLMSだと一瞬で終わる。学ぶ方も効率がいいし、教える方も効率が良くなるはずなんですよね。

ただ松崎さんもご存じの通り、これってめちゃめちゃ難しくて。恐らく海外でもまだ相当壁が厚いと思っています。例えて言うなら侍に鉄砲を教えるような話なんですよね。侍って刀が命じゃないですか。先生にとっては刀が講義なわけですよ。自分の喋った内容で、生徒を泣くまで感動させたいと思っているわけです。

松崎
いわゆる先生の役割ですね。

いかに刀を振り回すかが本当に重要なのか?

江尻様
先生は教室で素晴らしい講義をすることが一丁目1番地で、LMSを使って教室で教えないなんてどういうことだと批判的な方もまだたくさんいらっしゃいます。でも彼らに鉄砲を教えなくては戦争には勝てないですよね。本当に強い、つまり良い学校とか良い授業というのは江戸時代のようにいかに刀を振り回すかが重要ではなくなっています。にもかかわらず、そんなの武士としてふさわしくないなどと言っていては機関銃で撃たれて負けてしまうことは目に見えています。

松崎
時代背景など、私も江尻さんと同じ認識です。今まではともかくホワイトカラーを大量生産し、商品も大量生産、そして大量消費すれば儲かるという時代が続きました。それがここ数年で急激に変わってきていていると思います。

江尻様
その通りですね。方程式の答えとしてもLMSになるはずです。出席が最重要ではないとか座学よりも反転授業だ、などと言われるようになりましたが、その答えの中にはLMSが入ってくるはずなんですよね。ただ、動画で教えるなんて気持ちがこもっていませんよ、などと言って、その答えを受け入れられずにいる方がまだまだたくさんいる気がします。

松崎 自分の存在価値がなくなってしまうと考えるのかも知れませんね。

江尻様
まさにその通りです。先生方は授業に命を懸けていますので。武士から刀を取り上げたら何も残らないと思うのと同じです。ですからその意識を変えるのがすごく難しくて。実はこれはウェブ解析士マスターみたいなデジタル系の講師ですら、同じことが言えるんです。パンデミック前は講師も生徒もオフラインが良いと思い込んでいました。ですからオンラインにしようとすると、3万円の講座やテストをオンデマンドにするなんて、価格に見合わない、という反発も多かったです。でも実際にやってみると生徒の半分はオンデマンドを選びます。だって拘束がない方が良いに決まっていますよね。今ではほぼすべての講座がオンラインで、その半分はオンデマンドです。このパンデミックで価値観が大きく変化したと思います。

教育とは「生徒がどれだけ成長し、その人生がどう変わったか」だけ

―教育とは何なのかという根源的なテーマに行き着きますね。

江尻様
おっしゃる通りです。そして教育とは何かというのは結局、鈴木克明先生が示していらっしゃる通り、「生徒がどれだけ成長したか」だけなのだと思います。生徒が涙を流した数とか感動した講義だったかなどはどうでもよくて、要は短時間でどれだけのアウトカムを出せる人間を育てられたか、結果として「その人の人生がどう変わったか」だけで評価すべきです。

松崎
先生の魂ってすごく大事だと思います。ただ魂が対面じゃないと伝わらないのかというと、決してそうではないはずで、オンラインでも伝えることができるのではないか、というのが僕の持論です。ただ、魂を伝えるためには先生もそれなりに努力する必要があります。

江尻様
そうですね。授業のやり方は色々変わってきていますので、先生もそれらを学ぶ必要があると思います。

MITのMicroMastersプログラムが実証するLMSの効果とは

江尻様
LMSを使用したオンデマンド教育の価値を探ってく中で、僕は今、MITのMicroMastersプログラムで勉強をしています。5つのコースを受講し各コースの試験に合格すると、MicroMasters認定証が授与され、さらにMITの大学院、DEDP (Data, Economics, and Development Policy)のマスターコース(修士コース)に出願することができます。DEDPは発展途上国における経済政策決定のために使えるデータの専門家を育成するためのコースで、2019年にノーベル経済学賞を受賞したProf. Esther Dufloが講師を務めます。

受講のみであれば無料ですが試験や修了証の発行にはコースごとに1,000ドル程度かかります。但し、収入によっては100ドルまで下がりますので、5コース、つまり500ドルでMITの大学院への進学資格を得ることが可能となります。普通だったら数千万円かかりますので、桁が違います。発展途上国の人や学生にもチャンスがあるということです。

僕自身はこのプログラムがオンデマンド形式でなければ絶対に受けられていないと思います。それには2つの理由があります。一つは自分がマサチューセッツに居続けられないということ。もう一つは英語スキルです。講義を受けるにあたっては数学とプログラミングの知識が必要で、さらにそれらを英語で学ばなくてはいけない。僕はそこまで英語は得意ではありませんが、この講座はオンデマンド形式で、5分程度の短い動画と小テストの繰り返しになっています。字幕もありますし、動画や小テストの合間に振り替えることも可能です。もし同じ授業をMITでリアルタイムで受けたとしたら僕は全くついていけなかったと思います。

でもこの形式だから僕は学べているんですよね。そしてその世界一の先生の授業を受け、世界で起きている素晴らしい事例を元にした学びが得られるわけです。これってLMSじゃなかったら絶対無理な気がするんですよね。ですから、このことをLMSが通常の授業よりもはるかに高い効果を与えている明確な事例として多くの人に伝えたいです。

ウェブのプロが明かす「LMSの選び方」

―ウェブのプロのお立場から、LMSの選び方を教えていただけますか。

江尻様
こんなことを言ったら怒られちゃうかもしれないけど、でも国産LMSは全滅ですよね。全くMoodleに歯が立たないと僕は認識しています。違ったらごめんなさいね。僕が知らないだけかもしれません。ただ、プアな機能で偉い金額するものが多い気がします。火縄銃と機関銃位の差があるので、正直、国産LMSを選ぶ理由はないと思っているのですが、実際にはそちらを選んでしまう学校も多いようです。

その理由は国産LMSのように営業が学校に張り付いていないからだと思います。売る側が選択肢として出せていませんし、各学校にMoodleの良さを伝えきれていないということになります。これは企業側の努力が足りないことと、学校という閉鎖的な環境によるものかもしれません。

僕自身はMoodleは桁が違うぐらい優秀だと思っています。松崎さんや森さんからもお話を伺ったことがありますが、そもそもの思想が違うんですよね。国産のLMSはあくまでリアル授業の補完のようなソリューションです。けれどもMoodleはまず教育に関する理論があって、それを体現するために設計されているからすごいのだと思います。

松崎
日本の商習慣ですね。出入りの業者を重宝するのは。我々も、もっとMoodleの良さを伝えていきます。

江尻様
また、オープンソースのLMSを選ぶ場合はコミュニティがきちんとしているかも重要です。Moodleはその点が他のLMSに比べて優位でした。

ただ、それでも、やはりMoodleのコミュニティは少し敷居が高かったり、存在自体が知られていなかったりしますね。僕自身、Moodleを使い始めてから1年ぐらいはコミュニティには入れませんでした。

日本では特にその傾向が強いかも知れませんが、もっとオープンになったら先生方も使い易いだろうなとは思います。

松崎
どうしてもコミュニティってやっているうちにマニア方面にぶれてしまうんですよね。Moodleに限らず、オープンソースのコミュニティはそういう傾向があると思います。

コミュニティといえばMoodle Tokyo Cafeの他に、日本Moodle協会というのがあるのですが、そのような組織が存在するのは世界でも非常にレアケース、というか多分日本だけなんです。MoodleMootという発表会がありますが、通常はMoodleパートナーがホストをします。けれども日本では弊社がパートナーになる以前でしたので誰もやりませんでした。そこで先生方が団結してMoodleMootをやるために日本Moodle協会を作ったという経緯があります。

江尻様
コミュティってどうしても閉鎖的になりがちな傾向がありますので、リードする人たちがいかに門戸を開くかが鍵となりますね。フリーダムとプロフィット間のどこに軸足を置くかというのは非常に難しいところだと思います。

松崎
私自身はフリーダムとプロフィットの真ん中より一歩フリーの方に軸足を置きたいという考えです。

江尻様
ありがとうございます。そういう考え方で動いていただければ、もっと良くなると思います。

松崎
もちろん企業ですから社員のためにも利益はきちんと確保しなくてはいけないというのも事実です。みんな食べていかなくてはいけないので。実はオーストラリアのパースにあるMoodle社、Moodle HQ(本部)と呼んでいるのですが、彼らがMoodleの商標をすべて持っています。彼らもフリーダムは大事だけれど、そのためにはきちんと事業として回していかないといけないという考え方で、私自身の考えと一致しています。

日本経済大学での新しい「挑戦」

江尻様
僕は2024年に渋谷に新設される日本経済大学のデジタルビジネス・マネジメント学科で教授として教えることになりました。企画段階から関わっていたのですが、渋谷駅に直結した「STATIO(スタティオ)」の中にキャンパスができます。そこでも僕はMoodleの必要性を説いています。

もうひとつ、僕の地元、福島の大学の学部でもMoodleを活用した授業を提案し、文科省の補助金を得ることができています。

松崎
素晴らしいですね。

江尻様
やはり必要なのは、コロナの時に経営者のために授業を作ろうとした時のように、やらなきゃいけないっていう状況だと思うんです。それにはまず先生方が、刀じゃ死ぬってわかって鉄砲を撃とうと思わないとダメなんだと思います。

日本経済大学では、授業を全部録画し、基本はLMSで学ぶ環境を整え、オンラインでもオフラインでも出席にするという思い切ったことをしたいと考えています。そしてその卒業生が優秀な人材として社会で活躍してくれれば素晴らしい成功事例となります。

御社には是非この大学での成功事例、モデルケースを創り出すためのお力添えをいただきたいと思っています。

松崎
了解です。大学教育においては気をつけないといけないことがあります。Moodleを使って授業をやっていくと恐らく先生と生徒の関係はリアルよりうまくいくし、生徒もその科目を好きになってくれる可能性は高いです。

しかしながら大学は例えばTOEFLの合格率などを指標に据えているケースがよくあります。TOEFLの合格と英語が好きというのは必ずしもイコールではないじゃないですか。長い目で見れば、これも英語を例にとると、英語を好きになり、海外にも興味を持つというのがその人の人生にとって役に立つのだと思うのですが、組織としてはTOEFLの合格をゴールとして全員合格を目指す。そこに乖離があることを教育する側は認識しておく必要があります。

江尻様
そこは僕も本当に難しいと感じています。今の構想では、現役のデジタル人材を講師に招きたいと思っています。現役のSEとか、広告を運用している人とか。

ただ現役の皆さんは忙しいんですよね。授業を15コマしていただくためには、まず彼らができる時間に教えてもらい、その内容をちゃんとインタラクティブなものに変換する必要があって、ここに僕はLMSの可能性を感じていています。

つまり、現役の超一流の方々に授業をやってもらってそれを単純に録画したとしても、それだけでは観てもらえない訳ですよ。それに演習も加えた上でレポートを書かせたり、ピアレビューさせたりということまで考えて授業を作ってあげれば、学ぶ価値が出てくると思うんです。

そういうものをたくさん揃え、結果として卒業生が将来、優秀なデジタルマーケターとして活躍してくれれば良いと考えています。同じ偏差値の大学の中でも就職率や就職先のレベルがあがれば、それが成功事例となります。

卒業生を優秀な人材として社会に送り出すための方程式

松崎
途中で生徒がインターンをできるみたいな制度があったらすごく良い勉強になると思いますね。

江尻様
まさにそこなんですよ。実は僕らは1年か4年前まで全部インターンをやらせようと思っているんです。居酒屋バイトはやめて欲しい。それよりもお金を払ってでもデジタル系の会社で4年間仕事したら、5年目はいきなり給料600万くらい貰えるんじゃないかと思うんです。ですから御社も是非インターンの受け入れをお願いします。

松崎
いいですね。現場に出るとすごく勉強になるはずです。

江尻様
最初3ヶ月ぐらいはもしかしたら無給で教育してもいただくことになるかもしれないですが、その後ちゃんと使えたら時給を払っていただいて。4年後にそのまま就職すれば大学としても就職率がアップします。

インターンを受け入れてくださる会社を300社ぐらい作って、学生に授業兼自分の稼ぎのためにどこが良いか選びなさいとできるようになれば理想的です。運用会社で1年やって制作会社で1年やって、コンサル会社で1年やって4年目にはどこに行こうかと迷うぐらいが健全だと思うんですよね。

大学の先生とのリクナビだけ見て、あるいは親の言うことだけ聞いて会社を選ぶのって本当に不幸だと思うんです。こんな小さな世界でしか物事が見られませんからね。

松崎
逆に、昔は新卒終身雇用でそれで回る仕事だったんですよね。

江尻様
そうですよね。会社に入ってから教育されるからということだったんですけど。今はそんなことする必要ないですよね。

僕らは生え抜き、叩き上げ、現役のデジタル人材に教えてもらう、ということをやりたいです。そのためにはLMSが必要だよね、というのが僕の中での方程式なんですよ。

―是非その実践的教育の効果についても時々インタビューさせていただけたらなと思います。

Moodleは飽くなき探求心を駆り立てる奥深いソリューション

―最後に、Moodleの魅力を教えていただけますか?

江尻様
僕が教育において最もインスパイアされたのは、はMoodle Tokyo Cafeのマスターをされている藤田さんです。藤田さんから学んだことですが、Moodleは研究するようなソリューションなんですよね。

世の中にあるソリューションって2種類あると思います。ひとつはすごく簡単で便利に使えGoogleの検索エンジンみたいなものです。これはこれで価値があります。

そしてもうひとつはいつまでたっても飽くなき探求心を駆り立てるというか、奥深さがあるみたいなMoodleのようなものです。

Moodleはああも使える、こうも使える、これもできる、あれもできでるとなります。ですからどうすればもっと良い学びを提供できるかということを考えたらもういろんな可能性がたくさん広がって。それがMoodleのすごいところだと思います。

きちんとした理論に基づき、体系立っていて、本当にベースにある考え方がしっかりしている。だからこそ僕は、どういう形が1番学びに繋がるのかということを探求し続けているのだと思います。

ウェブ解析士協会の講師のみなさんにも教え方の新しい側面というものをもっともっと使って探ってもらえればなと思っています。

松崎
おっしゃる通りです。武士に教える鉄砲が、今は鉄砲だけどもしかするともっとすごいミサイルにも変化できるという、非常に柔軟性があるのがMoodleだと思います。是非、Moodleを活用した成功事例をどんどん作って世に広めていただきたいです。

貴重な話をどうもありがとうございました。

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