【Moodle LMS 5.3】最速レビュー ~オーバービュー~

2026年10月5日(月)に Moodle LMS 5.3 がリリースされました。
Moodle LMS 5.3 は長期サポート(LTS:Long Term Support)対応のため、気になっている方も多いのではないでしょうか。

私もワクワクしながら、早速テストサイトを触ってみました!
今回は、新しくなった Moodle LMS 5.3 の全体像を、注目したい機能や改良点とともにご紹介します。

「教師」や「管理者」目線の記事も別途投稿予定ですので、そちらもお楽しみに!

※本ブログでは、Moodle 5.3(Build: 20261005)の検証環境を使用しています

課題の複数採点者機能を拡充(Using multiple markers)

課題の採点を複数の採点者で分担し、それぞれの採点結果をもとに最終的な評点を決定できる機能です。
採点方法に応じて、評点を自動計算する方法と、手動で決定する方法を選べます。

この機能は Moodle 5.2 で初めて登場しましたが、5.3 ではさらに拡張され、各採点者が学習者に個別のフィードバックを提供できるようになりました。
また、必須の採点者と任意の採点者を設定できるようになり、複数の教員による採点や、採点内容の確認・調整をより柔軟に進められます。

※複数採点者機能は、「シンプル直接評定」で利用できます。
「ルーブリック」や「採点ガイド」を用いた評価には対応していません。

Boost テーマにダークモードが登場!(Dark mode in the Boost theme)

コミュニティから多くの要望が寄せられていた「ダークモード」が、標準の Boost テーマに追加されました。

本機能は実験的な機能として提供されており、管理者が有効化すると利用できます。
有効化すると、ユーザー自身が「ライト」「ダーク」「システム」の3種類から表示モードを選び、好みに合わせて画面表示を切り替えられます。

※実験的な機能のため、事前に検証環境で動作をご確認いただくことをおすすめします。
※「システム」を選択すると、端末やブラウザのカラーモード設定に合わせた表示になります。

Moodle の画面デザインがより現代的に!(A clearer, more current interface)

Moodle 5.3 では、フォントやページレイアウトなど、画面デザインが見直されました。
コースページの情報の配置やナビゲーション表示も変更され、画面全体の見た目や操作感が従来のバージョンから変わっています。

その中でも注目したいのが、コース内の「前へ」「次へ」ボタンです。

対象となるコース形式では、活動やリソースのページ下部に「前へ」「次へ」ボタンが表示されるようになりました。
受講者は、コースページに戻って次の教材を探さなくても、前後の活動やリソースへ移動しやすくなります。
教材を順番に学習してもらいたい場合にも、受講の流れを案内しやすくなる変更です。

※対象となるのは「カスタムセクション形式」または「ウィークリー形式」のコースです。
なお、誤操作による作業の中断などを防ぐため、編集中や小テストの受験中など、一部の画面ではボタンが表示されません。

小テストの期限設定など、教師向け機能の改善

小テストに、新たに「期限日(Due date)」を設定できるようになりました。

これまでの開始日時・終了日時に加えて、解答期限を設定できます。
期限を過ぎても終了日時までは受験できますが、期限超過として扱われます。そのため、受験可能な期間と提出期限を区別して管理しやすくなります。

このほか、次のような改善も行われています。
・問題バンクから選択した問題のエクスポート
・小テストの結果レポートにおける絞り込み機能
・教材作成用エディター「TinyMCE」での、折りたたみ式コンテンツやリストのスタイル設定
・Safe Exam Browser の設定項目の拡張

レポート・管理機能の改善

コース完了レポートのダウンロード機能が拡充され、Excel や PDF などの形式で出力できるようになりました。
このほか、カスタムレポートの時間に関する集計機能や、コース削除などの管理機能も改善されています。

AI 関連機能の拡充

AI プロバイダーとして Anthropic Claude が追加されたほか、コース単位で AI の利用状況を確認できるレポートが導入されました。
AI 機能の選択肢が広がるとともに、コース内での AI 利用状況を把握しやすくなっています。

※これらの機能を利用するには、対応する AI 機能やサービスの設定が必要です。

テーマに関する変更

従来の Classic テーマが Moodle 本体から削除されました。
Classic テーマを利用している環境では、アップグレード時に Boost テーマへ切り替わります。
Boost テーマを利用している環境では、この変更によるテーマの切り替えは発生しません。

Classic テーマを利用している場合は、アップグレード前に、画面表示やカスタマイズへの影響を確認しておくと安心です。

【Moodle 4.5 からの変更点は?】

現在 Moodle 4.5(LTS)をご利用で、Moodle 5.0~5.2 の変更点をご存じない方もいらっしゃると思います。
5.3 での変更点に加えて、それ以前のバージョンで追加された機能も知っておくと、今回のバージョンアップによる変化をより理解しやすくなります。
Moodle 5.0 のリリース時に投稿した記事も、ぜひご覧ください。

参考)【Moodle LMS 5.0】最速レビュー
https://www.e-learning.co.jp/resources/moodle-guide/moodle-lms-5-0/

参考)事前作成受験/Pre-create attempts
https://www.e-learning.co.jp/resources/moodle-guide/moodle5-pre-create-attempts/

このほか、Moodle 5.3 以前に追加された変更点を2つピックアップしてご紹介します。

■ ログイン画面・設定の見直し(Moodle 5.2~)
サイトのログインページがリニューアルされ、より分かりやすくモダンなデザインになりました。
この改良に伴い、サイト管理内に「ログイン設定/Login settings」という項目が設けられ、ログインに関する複数の設定をまとめて確認・変更できるようになっています。

■ コース間での問題共有機能(Moodle 5.0~)
Moodle 5.0 以降、「コース問題バンク」を通じて、複数のコースで問題を共有・再利用できるようになりました。
同じ問題を複数のコースで使う場合に、効率よく管理できます。

一方で、共有した問題を編集すると、その問題を使っている小テストにも変更が反映される場合があります。
問題の共有範囲や、変更が既存の小テストに与える影響を理解したうえで利用することが重要です。

いかがでしたか?
Moodle は、バージョンアップを重ねながら、学習を支える機能やコース運営を便利にする仕組みが進化し続けています。

Moodle 5.3 にも、日々の学習やコース運営に役立つ機能から、新しい活用方法につながる改善まで、さまざまな変更が盛り込まれています。
新機能を知ることは、これまでの運用を見直したり、Moodle の新たな活用方法を見つけたりするきっかけにもなります。
ぜひ今回ご紹介した機能を参考に、Moodle をさらに便利に、効果的に活用してみてください!

これからの Moodle の進化にも、ぜひご注目ください!

■ 新機能についての公式ドキュメント
https://docs.moodle.org/503/en/New_features
■ Moodle LMS 5.3 公式リリースノート
https://moodledev.io/general/releases/5.3