導入事例インタビュー【東京工業大学様】

  

 

東京工業大学の教育・研究理念と戦略に基づき,教育方法,教育能力開発方法,教育支援方法及び教育の質向上のための教育マネジメント体制の革新及びその継続的実践により,教授力及び教育意識の高い教員並びに学習意欲にあふれ学力及び人間力が高い学生の育成を図り,世界最高の理工系総合大学の実現に資することを目的として設立された教育革新センター。そこでMoodleを導入し、ご活用頂いている先生方にお話を伺いました。

大浦先生

教育革新センター
大浦 弘樹先生

仲谷先生

教育革新センター
仲谷 佳恵先生

大石先生

情報活用IR室
大石 哲也先生

「自学自修のためのオンライン学修環境の構築」を目指してMoodleを導入

―Moodle導入の経緯を教えてください。
大浦先生:本学では概算要求事業を平成29年度から5カ年計画で実施しています。本事業のテーマは2つあり、ひとつはオンライン学修環境の構築。もうひとつは分析・可視 化機能(アナリティクス)による学習行動履歴から学生に 学習の指針となるようなフィードバックをする、というものでした。平成29年度にプラットフォームの選定をしましたが、当初からOSS (Open Source Software)をベースでやりたいという考えがあり、複数のプラットフォームを検討した結果、最終的には国内で普及しているMoodleを選びました。
大石先生:いろいろと調べてMoodleはフレキシブルな機能があるということがわかっていたので、Moodleを選定しました。またMoodleは広く使われていますので、対応している業者が複数あるということもひとつのポイントでした。どこかの企業のパッケージ製品を導入してしまうと、そこにしか依頼できなくなってしまいますが、Moodleであれば業者を選択できる点を重視しました。

―プラットフォーム選定の際に、OSSをベースに検討されたのは何故でしょうか。
大浦先生:OSSの方が拡張性が高いからです。また現実的に考えて、各大学が自前で作るよりもOSSの方がコスト面で優れています。さらにMoodleのように世界中で使われているOSSであれば、コミュニティベースでの日々のバグつぶしなどもあり、前進が期待できるということもあります。ですから最初からOSSを前提で考えていました。

―実際にMoodleを導入されて如何でしたか。
大浦先生:もっとこうして欲しいなどの要望はありますが、本学の教員からは概ね好評です。ネガティブなコメントは教員からはあまり聞きません。

―具体的にここが良かったというのがありましたらお聞かせください。
教員が課題を一括ダウンロードしてコメントをつけて返せる機能について教員から好評のようで、教員から問い合わせが来ることがあります。またEL社に提供して頂いているELVideo(*EL社独自のプラグイン)は使い勝手が良いですね。動画の再生もクラウド経由ですので非常に安定していますし、今までELVideoまわりでトラブルが起こったことは一度もないと思います。もともとできることはシンプルですが、エッセンシャルなことはちゃんとできています。余計なものが入っていないので、選択肢が少ないからユーザも迷いづらい。またELVideoの最大の強みは、Moodleの中で完結する、しかもモバイルの中でも、という点です。これが本学がELVideoを採用した主な理由のひとつだと思います。
大石先生:いろいろ検討しましたが、いちばんかゆいところに手が届くサービスがELVideoでしたね。
大浦先生:当時、他のサービスも検討しましたが、リンクをクリックしたらポップアップして他のサービスと連携して、というものや、ウェブではできるけどモバイルではポップアップしてしまうとか、動画の管理は別のサイトで、というものが大手には多かったです。けれどもELVideoは本当に全部Moodle内で完結しますので。ユーザにとって、またログインしなくてはいけない、というのは面倒ですので、そこは我々が当時こだわっていた点でした。
大浦先生:それからモバイルアプリ対応という点は、はじめから重視していました。Moodleモバイルアプリ(Moodle App)はMoodleパートナーを利用すればカスタマイズできるというのがポイントでした。OSSのMoodleでモバイルアプリが使用でき、EL社を通してMoodle本部と契約できる、というのは大きなメリットのひとつです。
仲谷先生:Moodleでは、課題の収集に加えて、ひとりひとりに対してフィードバックすることができる、というのが良かったポイントのひとつだと先生方からお聞きしています。また先生から自分だけのためのフィードバックが返ってくるというのは学生さんからも評判が良いようです。
今年度はコロナの影響で、課題をオンラインで収集し、オンラインでそのまま返すという機会が増えたということもあり、最初は致し方なく使われた先生もいらしたかも知れませんが、使ってみたら意外とうまく使えたので便利でした、というようなお声は結構頂いています。

LMS必須の時代
教育革新センターが取り組むFD活動
目指すのはサスティナブルな仕組みづくり

―コロナの影響についてお聞かせください。
大浦先生:本学は令和2年度、第1、第2クォーター(前期)は基本的にすべてオンラインでした。講義型の授業を全部前期に持ってきて。夏休み中から第3、第4クォーター(後期)に関しては実験等どうしても対面でやらなければならない授業を午後に集め、感染症対策をしっかりした上で対面でも行いました。オンライン授業を午前に集め、昼休みを2時間に設定して移動時間に充てられるようにするなどの工夫をしています。

―今後の大学におけるLMSの役割はどうなると思われますか。
大浦先生:LMSは必須ではないでしょうか。本学では前期はZoomを中心に授業を行いましたが、後期はMoodleの使用が増え、存在感が増しています。今後も対面とオンライン、両方で授業を行うこととなると思いますが、将来的にはMoodleを全学で使用する予定です。

―LMS導入初期は先生方も操作方法の習得や、授業の組み立てを変えるなど、それまでとは違ったご苦労もあるかと思います。そんな中で導入を成功させるために、どのような取り組みをされていますか。
大浦先生:いわゆるFD(*Faculty Development:大学教員の教育能力を高めるための実践的方法)ですよね。現状ではMoodleにもともと前向きな、アーリーアダプター、キャズムで言うと前の方の人たちが中心となって使っています。ただ、個人単位で使っているので、そのままですと広がりに限界があります。我々の所属している教育革新センターというのは、浸透させるための活動を行う支援組織としての役割を担っていると思います。実際、そのような組織があるかないかで大学全体に広がるかどうか、かなり違ってくると思います。
大石先生:教育革新センターでは仲谷先生が中心になってMoodleのマニュアルを作っています。本学は比較的理系の先生方が多いので、MoodleのようなWebシステムにすぐに慣れる方が多かった印象です。
仲谷先生:教育革新センターは,FDの一環としてMoodleの利活用支援を行っています。例えば「動画を活用した授業設計セミナー」というセミナーを大浦先生中心に何回か開催しております。動画の教材をどう作ったら良いのかというご紹介をしました。またMoodleのマニュアルを本センターで提供させて頂いておりまして、特に本学の教員が使うであろう機能を中心に解説を加えています。Moodleの中にお問合せボタンというものを作っておいて、そこに教員や学生から問合せのあったものは随時マニュアルを更新していくという体制を取っておりました。
Moodleは世界中で使われていることもあり、たとえば小テストの作り方など、他大学のマニュアルですとか、個人が解説している記事などもたくさんあります。本センターのマニュアルは多数の教員が使用することが想定される基本的な機能を中心に記載していますが,まだマニュアルでカバーできていないような機能であっても、そういったものを参照しながら、授業で取り入れているという事例が見られます。

―マニュアル作成の目的を教えてください。
大浦先生:まず基本的な形を示さないと、教員はイメージしづらいので。仲谷先生のマニュアルは講義動画をどうやってアップロードするか、課題をどうやってアップロードするかなど、順番に細かく作られています。あとは問い合わせの量をコントロールするという目的もあります。大学内でMoodleに詳しいスタッフは限られています。本校でもヘルプデスクのスタッフというのは必ずしもMoodleに詳しくないということを前提としています。問い合わせが来るたびに、多くの先生が知っておくべき内容と判断したものを随時更新していくことでノウハウを日々ためていき、文書化する。そうすることで質問の意味はわかるけれど、どういう風にしたらよいかを適切にガイドできない人であっても、マニュアルのここをご覧くださいという対応が可能となります。かつ我々ではわからないものはEL社のサポート対応でテクニカルな内容までお答え頂いていますので助かっています。この仕組みをきちんとまわすことによって基本的なユーザ対応というものをシステム化しようと考えています。

EL社はMoodleを熟知した専門業者
最初の段階で出会えてよかったです

―当社のサービスに対してご意見やご感想をお願い致します。
大浦先生:導入や運用に関するアドバイスを非常に頂いていますし、サポート体制に関してもちゃんと対応して頂いていますので、運用保守という観点で何の不満もありません。やはりEL社はMoodle専門業者ということもあって、Moodleを熟知していますよね。大石先生といつも話しているのは、EL社には運用のアイデアがすごくたくさんある、ということです。こういうことに困っているとEL社にご相談すると、いつもここをこういう風に設定したらどうですか、という感じで教えて頂きます。変にいろいろなものを開発して作ろうとするよりも、あるものをうまく使って、というコンサルティングのようなことまでして頂けます。

―変な開発をしてしまうと、時間やコストがかかる上に、バージョンアップの際にお客様にご不便をお掛けする可能性も出てしまいます。ですから極力標準の機能をうまく組み合わせて、お役様のご要望を解決する案をご提供するというのが当社のポリシーのひとつとなっています。その点をご評価頂いているのであれば嬉しい限りです。
大浦先生:かなりそこの評価が高いです。EL社は後先考えたアドバイスをしてくださいますね。
大石先生:私もそう思います。初期の段階からEL社はMoodleであまり開発などはやらない方が良いよと正直に伝えてくださっていました。私たちも最初の頃はMoodleの細かいことは知らなかったので、最初の段階でEL社と出会っていたのは本当に良かったです。EL社にちょっとお尋ねして、これってこういうことできますか、と聞くと、できる、できないだけではなく、こういう風にした方がいいですよとか、こういうところを見たらどうですかとか、いろいろなことを教えて頂けるので、いつの間にか我々もMoodleに詳しくなることができましたし、とても感謝しております。
仲谷先生:私も教員からの問い合わせ対応をしていく中で、Moodleのコアの部分のことなど、どうしても自分では把握できないこともでてきますが、そういうところに関してEL社のサポートの方にはだいぶ助けて頂きました。また、こういうことをしたい、ということに対して、それはこういう観点からやらない方が良いとはっきりおっしゃってくださるので非常に有難いなと思っています。

東京工業大学様
https://www.titech.ac.jp/
東京工業大学 教育革新センター様
https://www.citl.titech.ac.jp/

このページのコンテンツは役に立ちましたか?